広告規制について(医療法)

医療法(昭和二十三年法律第二百五号)抜粋

第六条の五医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告のしてはならない。

医師又は歯科医師である旨
診療科名
病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに病院又は診 療所の管理者の氏名
診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無
法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師で場合
入院設備の有無、第七条第二項に規定する病床の種別ごとの数、医師、歯科医師、 薬剤師、看護師その他の従業員の員数その他の当該病院又は診療所における施設、設備又は従業者に関する事項
当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他のこれらの者に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの
患者又はその家族から医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項
紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保険医療サービス若しくは福祉施設サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保険医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項
診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、前条第三項に規定する書面の交付その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項
十一 当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る)
十二 当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの
十三 その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項

2厚生労働大臣は、医療に関する専門的科学的知見に基づいて前項第七号及び第十一
  号から第十三号まで掲げる事項の案並び第四項の規定する基準の案を作成するため、
  診寮に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない。

3第一項各号に掲げる事項を広告する場合においても、その内容が虚偽にわたつては
  ならない。

4第一項各号に掲げる事項を広告する場合には、その内容及び方法が、医療に関する
  適切な選択に関し必要な基準として厚生労働省令で定めるものに適合するものでな
  ければならない。

第六条の六

前条第一項第二号の規定による診療科名は、医業及び歯科医業につき政令で定める診療科名並びに当該診療科名以外の診療科名であつて当該診療に従事する医師又は歯科医師が厚生労働大臣の許可を受けたものとする。

2厚生労働大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、医学医術に関する学術団体及び医道審議会の意見を聴かなければならない。

3厚生労働大臣は第一項の許可をするに当たっては、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。

4第一項の規定による許可に係る診療科名を広告するときは、当該診療科名につき許可をうけた医師又は歯科医師の氏名を、
併せて広告しなければならない。

第六条の七

助産師の業務又は助産所に関して、文書その他いかなる方法によるを問  わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。

一、助産師である旨

二、助産所の名称、電話番号及び住所の場所を表示する事項並びに助産所の管理者の氏名

三、就業の日時又は予約による業務の実施の有無

四、入所施設の有無若しくはその定員、助産師その他の従業員の員数その他の当該助産所における施設、
   設備又は従業員に関する事項

五、当該助産所において業務に従事する助産師の氏名、年齢、役職、略歴その他の助産師に関する事項であって医療   を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

六、患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、
   個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他のつ当該助産所の管理又は運営に関する事項

七、第十九条に規定する嘱託する医師の氏名又は病院若しくは診療所の名称その他の当該助産所の業務に係る
   連携に関する事項

八、助産録に係る情報の提供その他の当該助産所における医療に関する情報の提供に関する事項

九、その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項

第六条の八

  1. 都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、医業、 歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関する広告が第 六条の五第一項、第三項若しくは第四項又は前条各項の規定に違反しているおそれ があると認めるときは、当該広告を行った者に対し、必要な報告を命じ、又は当該 職員に、当該広告を行った者の事務所に立ち入り、当該広告に関する文書その他の 物件を検査させることができる。
  2. 都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、医業、歯科医業 若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関する広告が第六条の 五第一項若しくは第四項又は前条第一項若しくは第三項の規定に違反していると 認める場合には、当該広告を行った者に対し、期限を定めて、当該広告を中止し、 又はその内容を是正すべき旨を命ずることができる。
  3. 第一項の規定によって立入検査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯 し、かつ関係人の請求があるときは、それを提示しなければならない。
  4. 第一項の規定によって立入検査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯 し、かつ関係人の請求があるときは、それを提示しなければならない。
  5. 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第七十三条

次の各号のいずれかに該当する者は、これを六月以下の懲役又は三十
万円以下の罰金に処する。
  1. 第六条の五第三項、第六条の六第四項、第六条の七第二項又は第七条第一項の規
    定に違反した者
  2. (略)
  3. 第六条の八第二項、第七条の二第三項、第二十三条の二、第二十四条、第二十八条
    又は第二十九条第一項の規定に基づく命令又は処分に違反した者

第七十四条

  1. (略)
  2. 第五条第二項、第六条の八第一項若しくは第二十五条第一項から第四項までの規定による報告若しくは提出を怠り、若しくは虚偽の報告をし、又は第六条の八第一項若しくは第二十五条第一項若しくは第三項の規定による当該職員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

医療法施行令(昭和二十三年政令第三百二十六号)抜粋

第三条の二

  1. 医業については、内科、心療内科、精神科、神経科、呼吸器科、消化器科、循環器科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、
    外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外来、心臓血管外科、小児外科、皮膚泌尿器科、性病科、
    こう門科、産婦人科、眼科、耳鼻しんこう科、気管食道科、リハビリテーション科及び放射線
  2. 歯科医業については、歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔外科

2前号第一項に掲げる診療科名のうち、次の各号に掲げるものについては、
それぞれ当該各号に掲げる診療科名に代えることができる。
  1. 神経科、神経内科
  2. 消化器科胃腸科
  3. 皮膚泌尿器科皮膚科又は泌尿器科
  4. 産婦人科産科又は婦人科

医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号)抜粋

第一条の九

第六条の五第四項及び第六条の七第三項の規定による広告の内容及び方法の基準は、次のとおりとする。

  1. 他の病院、診療所又は助産所と比較して優良である旨の広告してはならないこと
  2. 誇大な広告を行つてはならないこと
  3. 客観的事実であることを証明することができない内容の広告を行つてはならないこと
  4. 公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告を行つてはならないこと

第一条の十法第六条の六条第一項の規定による診療科名として麻酔科(麻酔の実施に係る診療科名をいう。以下同じ。)につき同項の許可を受けようとする医師は、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提供しなければならない。

  1. 申請者に氏名、住所、生年月日、略歴、医籍の登録番号及び医籍の登録年月日
  2. 申請者に従事先の名称、診療科名及び役職及び地位
  3. 次に掲げる麻酔の実施に係る業務(以下「麻酔業務」という。)に関する経歴

    イ 麻酔業務を行つた期間

    ロ 麻酔を実施した症例数

    ハ 麻酔業務を行つた施設名

    二 麻酔の実施に関して十分な指導を行うことができる医師
    (以下「麻酔指導医」という。)の氏名

第2 広告規制の対象範囲

広告の定義

法第2章第2節「医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告」の規定による規制の対象となる医療に関する広告の該当性については、次の①~③にいずれの要件も満たす場合に、広告に該当するものと判断されたい。

  1. 患者の受診等を誘引する意図があること(誘因性)
  2. 医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)
  3. 一般人が認知できる状態にあること(認知性)

    なお、①でいう「誘因性」は、広告に該当するか否かを判断する情報物の客体の利益を期待して誘因しているか否かにより判断することとし、例えば患者による体験手記や新聞記事等は、特定の病院等を推薦している内容であったとしても、①でいう「誘因性」の要件を満たさないものとして取り扱うこと。
    また、②でいう「特定性」については、複数の提供者又は医療機関を対象としている場合も該当するものであること。

実質的に広告と判断されるもの

広告規制の対象となることを避ける意図をもって外形的に上記の1の①~③に該当
することを回避するための表現を行う者があることが予想される。しかしながら、
例えば、
  1. 「これは広告ではありません。」、「これは、取材に基づく記事であり、患者を
    誘引するものではありません。」との記述があるが、病院名等が記載されている。
  2. 「医療法の広告規制のため、具体的な病院名は記載できません。」といった表示
    をしているが、住所や電話番号等から病院等が特定可能である
  3. 治療法等を紹介する書籍や冊子等の形態をとっているが、特定(複数の場合も含
    む。)の病院等の名称が記載されていたり、電話番号やホームページアドレスが記
    載されていることで、一般人が容易に特定の病院等を認知できる
    等のような場合には、実質的に上記1に掲げた①~③の要件を全て満たす場合には、
    広告に該当するものとして取り扱うことが適当である。
    また、新しい治療法等に関する書籍等に「当該治療法に関するお問い合わせは、○
    ○研究会へ」等と掲載されている場合のように、上記ウの事例と類似しているが、
    当該書籍等では直接には、病院等が特定されない場合であって、「当該書籍は純然
    たる出版物であって広告ではない。」等として、広告の規制の対象となることを回
    避しようとする場合もある。この場合であっても、連絡先が記載されている「○○
    研究会」や出版社に問い合わせると特定の医療機関(複数の場合も含む)をあっせ
    ん等としていることが認められる場合であって、当該医療機関が別の個人や出版社
    等の団体を介在されることにより、広告規制の対象となることを回避しようとして
    いると認められる場合には、これらは、いわゆるタイアップ本やバイブル本と呼ば
    れる書籍や記事風広告と呼ばれるものとして、実質的には、上記1の①~③に示し
    た要件を満たし、広告として取り扱うことが適当な場合があるので十分な留意が必
    要である。

暗示的又は間接的な表現の扱い

医療に関する広告については、直接的に表現しているものだけではなく、当該情報物を全体でみた場合に、暗示的や間接的に医療に関する広告であると一般人が認識し得るものも含まれる。このため、例えば、次のようなものは、医療に関する広告に該当するので、広告可能とされていない事項や虚偽・誇大広告等に該当する場合には、認められないものである。

  1. 名称はキャッチフレーズにより表示するもの
    例)①アンチエイジングクリニック又は(単に)アンチエイジング
      アンチエイジングは診療科名として認められておらず、また、公的医療保険の対
      象や薬事法上の承認を得た医薬品等による診療の内容ではなく、広告としては認
      められない。
  2. 最高の医療の提供を約束!
    最高」は最上級の比較表現であり、認められない。また、「最高の医療の提供」 は客観的な事実であると証明できない事項でもある。 イ写真、イラスト、絵文字によるもの (例)①病院の建物の写真 当該病院の写真であれば、広告可能である(法第6条の5第1項第6号)が、他の 病院の写真は認められない。
  3. 病人が回復して元気になる姿のイラスト
    効果に関する事項は広告可能な事項ではなく、また、回復を保障すると誤認を与え
    おそれがあり、誇大広告に該当するので、認められない。
    ウ新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、体験談などを
    引用又は掲載することによるもの
    (例)①新聞が特集した治療法の記事を引用するもの
    法第6条の5第1項第11号で認められた「治療の内容」の範囲であり、改善率等
    の広告が認められていない事項が含まれていない場合には、引用可能である。
  4. 雑誌や新聞で紹介された旨の記載
    自らの医療機関や勤務する医師等が新聞や雑誌等で紹介された旨は、
    広告可能な事
    項ではないので、広告は認められない。
  5. 専門家の談話を引用するもの
    専門家の談話は、その内容が保障されたものと著しい誤認を患者等に与えるおそれが あるものであり、広告可能な事項ではない。また、薬事法上の未承認医薬品を使用し た治療の内容も、広告可能な事項ではなく、広告は認められない。 エ病院等のホームページのURLやEメールアドレス等によるもの (例)①www.gannkieru.ne.jp ガン消える(gannkieru)とあり、癌が治癒することを暗示している。 治療の効果に関することは、広告可能な事項ではなく、また、治療を保障している誇 大している誇大広告にも該当し得るものであり、認められない。
  6. no1hospi@xxx.or.jp
    「no1hospi」の文字は、「№1Hospital」を連想させ、日本一の病院である旨を暗示し ている。「日本一」等は、比較広告に該当するものであり、認められない。

医療に関する広告規制の対象者

(1)医療に関する広告規制の対象者

法第6条の5第1項におちて「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。」とあるように、医師若しくは歯科医師又は病院等の医療機関だけでなく、マスコミ、広告代理店、患者又は一般人等、何人も広告規制の対象とされるものである。
また、日本国内向けの広告であれば、外国人や海外の事業者等による広告(海外から発送されるダイレクトメールやEメール等)も規制の対象である。

(2)広告媒体との関係

広告依頼者から依頼を受けて、広告を企画・制作する広告代理店や広告を掲載する新聞、雑誌、テレビ、出版等の業務に携わる者は、依頼を受けて広告依頼者の責任より作成又は作成された広告を掲載、放送等するにあっては、当該広告の内容が虚偽誇大なもの等、法や本指針に違反する内容となっていないか十分留意する必要があり、違反等があった
場合には、広告依頼者とともに法やホ本指針による指導等の対象となり得るものである。

5 広告に該当する媒体の具体例

本指針第2の1において、広告の定義を示しているところであるが、広告の規制対象となる媒体の具体例としては、例えば、次に掲げるものが挙げられる。
  1. チラシ、パンフレットその他これらに類似する物によるもの(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)
  2. ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオンサイン、アドバルーンその他これらに類似する物によるもの
  3. 新聞、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備による放送を含む。)、映写又は電光によるもの
  4. 情報処理の用に供する機器によるもの(Eメール、インターネット上のバナー広告等)オ不特定多数の者へ説明会、相談会、キャッチセールス等において使用するスライド、ビデオ又は口頭で行われる演述によるもの

6 通常、医療に関する広告とは見なされないものの具体例

(1) 学術論文、学術発表等

学会や専門誌党で発表される学術論文、ポスター、講演等は、社会通念上、広告と見なされることはない。これらは、本指針第2の1に掲げた①~③の要件のうち、①の「誘因性」を有さないため、本指針上も原則として、広告に該当しないものである。
ただし、学術論文等を装いつつ、不特定多数にダイレクトメールで送る等により、実際には特定の医療機関(複数の場合を含む。)に対する患者の受診等を増やすことを目的としていると認められる場合には、①の「誘因性」を有すると判断し、①~③の全ての要件を満たす場合には、広告として扱うことが適当である。

(2) 新聞や雑誌等での記事

新聞や雑誌等での記事は、本指針第2の1に掲げた①~③の要件のうち、①の「誘因性」を通常は有さないため、本指針上も原則として、広告に該当しないものであるが、費用を負担にて記事の掲載を依頼することにより、患者等を誘因するいわゆる記事風広告は、広告規制の対象となるものである。

(3) 体験談、手記等

自らや家族等からの伝聞により、実際の体験に基づいて、例えば、A病院を推薦する手記を個人Xが作成し、出版物やしおり等により公表した場合や口頭で評判を広める場合には、一見すると本指針第2の1に掲げる①~③の要件を満たすが、この場合には、個人XがA病院を推薦したにすぎず、①の「誘因性」の要件を満たされないため広告とはみなされない。 ただし、A病院からの依頼に基づく手記であったり、A病院から金銭等の謝礼を受けている又はその約束がある場合には、①の「誘因性」を有するものとして扱うことが適当である。また、個人XがA病院の経営に関する者の家族等である場合にも、病院の利益のためと認められる場合には、①の「誘因性」を有するものとして、扱うのである。

(4) 院内掲示、院内で配布するパンフレット等

院内掲示、院内で配布するパンフレット等はその情報の受け手が、現に受診している患者等に限定されるため、本指針第2の1に掲げる①~③の要件のうち、③「一般人が認知できる状態にあること」(認知性)を満たすものではなく、情報提供や広報と解される。 ただし、希望している者にダイレクトメールで郵送されるパンフレット等については、③の一般人への認知性に関する要件をみたすものとして取り扱うものであること。

(5) 患者等から申し出に応じて送付するパンフレットやEメール

患者等から申し出に応じて送付するパンフレットやEメールは、本指針第2の1に掲げた①~③の要件のうち、③の「認知性」を満たすものではなく、医療機関に関する情報や当該医療機関での治療法等に関する情報を入手しようとする特定の者に向けた情報提供や広報と解されるため、広告とは見なされない。 病院等のメールマガジンも、その病院等にから送られてくることを希望した患者等へ送信される場合には、広告と見なされないが、病院等とは直接関係がないメールマガジンは、当該メールマガジンの配信希望者や会員に限定されるとしても、当該病院等とは関係ない一般人向けとなるので、③の一般人への認知性に関する要件を満たすものとして扱うことができる。

(6) 医療機関の職員募集に関する広告

医療機関に従事する職員の採用を目的としたいわゆる求人広告は、通常、医療機関の名称や連絡先等が記載されているが、当該医療機関への受診を誘引するものっではないことから、本指針第2の1に掲げた①~③の要件のうち、①の「誘因性」を有するものではない。そのため、本指針の対象となる医療に関する広告ではない。

(7) インターネット上のホームページ

インターネット上の病院等のホームページは、当該病院等の情報を得ようとの目的を有する者が、URLを入力したり、検索サイトで検索した上で閲覧するものであり、従来より情報提供や広報として扱ってきており、引き続き、原則として広告とは見なさないこととする。
また、インターネット上のバナー広告、あるいは検索サイト上で、例えば「癌治療」を検索文字として検索した際に、スポンサーとして表示されるものや検索サイト運営会社に対して費用を支払うことによって意図的に検索結果として上位に表示される状態にした場合などでは、バナーに表示される内容や検索結果として画面上に表示される内容等については、実質的に本指針第2の1に掲げた①~③のいずれの要件も満たす場合は、広告として取り扱うこと。

第3広告可能な事項について

1 医療に関する広告として広告可能な範囲

法第6条の5第1項の規定により、法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外は、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も広告をしてはならないこととされているが、今回の広告規制の見直しにより、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、客観性・正確性を確保し得る事項については、広告事項としてできる限り幅広く認めることとしたものである。

2 従来より広告可能とされてきた事項との関係

従来より広告可能と認められていた事項については、今回の広告規制の改正後においても、引き続き、法第6条の5第1項各号又は広告告示の相当の規定に基づき、広告は可能である

3 医療機能情報提供制度との関係

法第6条の3による医療機能情報提供制度の対象となる事項については、専門外来を除いて医療に関する広告としても、原則として広告可能な事項である。ただし、都道府県が独自に報告を求める事項については、法又は広告告示で広告可能な事項として定められていない場合には、広告できない。

4 広告可能な事項の表現方法について

  1. 広告の手段
    法又は広告告示により広告が可能とされた事項については、文字だけではなく、写真、イラスト、映像、音声等による表現も可能である。
  2. 広告可能な事項の記載の仕方
    広告可能な治療の方法等について、これまでは、広告表現に係る客観性を担保するという観点から、治療の方法についてであれば、診療報酬点数表又はその解釈通知に記載されている語句をそのまま使用することとされていた。しかしながら、今般の広告規制の見直しでは、正確な情報が提供され、患者やその家族あるいは住民自身によるその選択を支援する観点から、規制を相当程度緩和することとしているので、患者等の情報の受け手側の理解が可能となるように分かりやすい表現を使用したり、その説明を加えることは、むしろ望ましいことであり、認めることとする。
    例えば、「人工透析」については、これまで診療報酬点数表等にある「人工腎臓」や「血液透析」等との表現のみ認められていたが、一般に用いられている「人工透析」の表現も広告可能なものとすること。
  3. 略号や記号の使用
    広告可能な事項について、社会一般で用いられていたり、広告の対象となる地域において、正確な情報伝達が可能である場合には、略号や記号を使用することは差し支えないものとすること。
    (例)・社団法人→(社)
        ・電話番号03-0000-0000→?03-0000-0000
        ・地域で定着していると認められる病院等の略称(大学病院、中央病院等)
    また、当該記号やマークが示す内容を文字等により併せて標記することで、正確な情報伝達が可能である場合にあっては、記号やマークを用いても差し支えない。

5 広告可能な事項の具体的な内容

  1. 法第6条の5第1項第1号関係
    「医師又は歯科医師である旨」については、医師法(昭和23年法事第201号)第2条に規定する免許又は歯科医師法(昭和23年法事第202号)第2号に規定する免許を有する医師又は歯科医師である旨を医業又は歯科医師業に関する広告に記載できるものであること。
    我が国での医師又は歯科医師の免許を有さない場合には、医師又は歯科医師である旨を広告できないこと。
    また、外国における医師又は歯科医師である旨の広告はできないものであること。なお、同項第7号にあるように、病院又は診療所に従事する薬剤師、看護師その他の医療従事者に関する氏名等は、広告可能な事項であり、本号の規定が、病院又は診療所に従事する者が薬剤師、看護師その他の医療従事者である旨の広告を妨げるものではならないことに留意すること。
  2. 法第6条の5第1項第2号関係
    「診療科名」については、法第6条の6第1項の規定にあるように、医療法施行令(昭和23年政令第326号。以下「政令」という。)第3条の2で定められた診療科名又は当該診療に従事する医師が厚生労働大臣の許可をうけたものであり、従前から認められてきた診療科名と同一なものであること。
    広告が可能な診療科名(以下「標榜診療科名」という。)は、以下の計38種に限定され、標榜診療科名と誤認を与える事項や他の診療科名は、広告が認められていないことに留意すること。

    ア政令に定められた診療科名
    ①医業(33種)
    内科、心療内科、精神科、神経科、呼吸器科、消化器科、循環器科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚泌尿器科、性病科、こう門科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、神経内科、胃腸科、皮膚科、産科及び婦人科
    ②歯科医業(4種)
    歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔外科
    イ厚生労働大臣の許可を得た診療科名
    ③医業(1種)
    麻酔科
    現時点では、「麻酔科」についてのみ、当該診療に従事する医師が厚生労働大臣の許可を得た場合に限り、広告可能とされているもとである。
    また、法第6条の6第4項の規定により、麻酔科を診療科名として広告するときには、許可を受けた医師の氏名を併せて広告しなければならないとされていることにも留意すること。
  3. 法第6条の5第1項第3号関係
    「病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに病院又は診療所の管理者の氏名」については、従来より認められていた「病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項」に加え、新たに「病院又は診療所の管理者の氏名」が広告可能となったものであること。

    ア 病院又は診療所の名称
    病院又は診療所の名称は、正式な名称だけでなく、当該医療機関であることが認識可能な略称や英語名についても、可能であること。
    また、当該病院又は診療所のマークや名称が記載された看板の写真についても差し支えないこと。

    イ 病院又は診療所の電話番号
    病院又は診療所の電話番号には、ファクシミリ番号も含まれるものであること。フリーダイヤルである旨や電話の受付時間等についても、広告告示第4条第11号に規定する「患者の受診の便宜を図るためのサービス」に当該することから、広告可能であること。
    ウ 病院又は診療所の所在の場所を表示する事項
    病院又は診療所の所在の場所を表示する事項には、住所、郵便番号、最寄り駅等からの道順、案内図、地図等が含まれるものであること。

    エ 病院又は診療所の管理者の氏名

(4) 法第6条の5第1項第4号関係

「診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無」については、従来より広告可能であった事項であること。
  1. 診療日又は診療時間
    診療日及び診療時間は患者等に対し、提供するべき情報であるので、可能な限り医療に関する広告においても記載するのが望ましいものであること。
    「午前宅診・午後往診」との記載、診療日を明示せず休診日を明示すること等は差し支えないこと。
  2. 予約よる診療の実施の有無
    例えば、「平日○○時~○○時予約受付」、「24時間予約受付」等、予約時間を併せて示すことや予約を受け付ける電話番号、ホームページのURL、Eメールアドレス等を示すことも差し支えないこと。
    選定療養としての予約診療の場合には、その制度、負担費用等についても、併せて示すことが望ましいこと。

第1広告規制の趣旨

1 医療法の一部改正の趣旨

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告(以下「医療に関する広告」という。)については患者等の利用者保護の観点から医療法(昭和23年法律第 205号。以下「法」という。)その他の規定により制限されてきたところであるが、今般、社会保険障審議会医療部会における意見等を踏まえ、患者やその家族あるいは住民自身が自分の病状等に合った適切な医療機関を選択することが可能となるように、患者等に対して必要な情報が正確に提供され、その選択を支援する観点から、従来の法や告示のように一つ一つの事項を個別に列記するのでなく一定の性質をもった項目群ごとにまとめて、「○○に関する事項」と規定するいわゆる「包括規定方式」を導入することにより、広告可能な内容を相当程度拡大することとしたものである。 また、広告規制違反について、行政機関による報告徴収、立入検査及び広告の中止等の改善措置を命ずる規定(法第6条の8)を新設するとともに、命令に従わない場合に罰則を適用する制度(法第73条第3号)、すなわち間接罰の適用に移行(ただし、虚偽広告については、引き続き、直ちに罰則を適用できる制度(法第73条第1号)、すなわち直接罰の適用を維持)とするものである。

2 基本的な考え方

医療に関する広告は、患者等の利用者保護の観点から、次のような考え方に基づき法
又は旧告示により、限定的に認められた事項以外は、原則として広告が禁止されてき
たところである。

①医療は人の生命・身体に関するサービスであり、不当な広告により受けた手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。
②医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。

今回の広告規制の見直しに当たっては、こうした基本的な考え方は引き続き堅持しつつも、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、客観性・正確性を確保し得る事項については、広告事項としてできる限り幅広く認めることとしたものである。

(1) 広告を行う者の責務

医療に関する広告を行う者は、その責務として、患者や地域住民等が広告内容を適切に理解し、治療等の選択に資するよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならないものである。
さらに、広告は患者の受診等を誘引するという目的を有するものの、患者や地域住民等の利用者へ向けた客観的で正確な情報伝達の手段として広告を実施するべきであり、また、医療機関等が自らの意思により行う必要がある。

(2) 広告可能な事項の基本的な考え方

法又は「医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関 して広告することができる事項」(平成19年厚生労働省告示108号。以下「広告 告示」という。)により、医療に関する広告として広告可能な事項は、患者の治療選 択等に資する情報であることを前提とし、医療の内容等については、客観的な評価が 可能であり、かつ事後の検証が可能ば事項に限られるものである。

(3) 禁止される広告の基本的な考え方

広告可能な事項を「包括規定方式」で規定することにより、広告可能な内容は相当程度拡大されているが、引き続きいわゆる「ポジティブリスト方式」であることに変わりはなく、法第6条の5第1項の規定により、法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外は、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も広告をしてはならないこととされている。
また、法第6条の5第3項の規定により、内容が虚偽にわたる広告は、患者等に著しく事実に相違する情報を与えること等により、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けるおそれがあることから、罰則付きで禁じられている。虚偽広告と同様の考えから、法第6条の5第4項の規定により、広告の方法及び内容に関する基準が定められることとされており、具体的には医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号。以下「省令」という。)第1条の9により、次の広告は禁止されている。

(ⅰ)比較広告
(ⅱ)誇大広告
(ⅲ)広告を行う者が客観的事実であることを証明できない内容の広告
(ⅳ)公序良俗に反する内容の広告

さらに、薬事法(昭和35年法律145号)等の他法令やそれら法令に関連する広告の
指針に抵触する内容について広告しないことは当然のことであり、それらの他法令等に
よる広告規制の趣旨に反する広告についても、行わないこととする。
おって、品位を損ねる内容の広告等、医療に関する広告としてふさわしくないものにつ
いても、厳に慎むべきものである。

他の法律のおける規制と関係

医療に関する広告の規制については、法に基づく規定の他に、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景表法」という。)薬事法等があり、これら他法令に違反する広告は、当該他法令に基づく指導・処分等の対象となり得るものである。
今般導入した法第6条の5等の規定に違反し、又は違反が疑われる広告は、これら広告等を規制する他法の規定に違反し、又は違反している可能性があり得るものである。
このため、法の運用に当たっては、関係法令の内容を十分に理解し、法を主管する課室(以下「法主管課室」という。)を中心に、景表法主管課室の関係法令を所管する課室も含め、収集した情報の交換等により、密接に連携・協力し、指導等の実効を挙げるよ
うに努められたい。
なお、法主管課室が行う苦情相談や指導等の手順その他の実務的な内容については、本指針第5を参照されたい。

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