法人理念

一、「人間として正しいこと」に基づく医療を実践し、明徳を明らかにして、人間性を高めていくこと

　まず、仕事をするにあたって、もっとも大切なことがこの「人間として正しいこと」に基づくということです。昨今、歴史ある企業が方向性を誤って没落していく理由は、利潤の追求のみに走り「人間として正しいこと」を踏み外しているからに他なりません。組織が、成長・発展していくための基本であります。ヒトの身体と心に直接的に関わる医療の世界では、一般企業以上に求められることでしょう。
　それでは「人間として正しいこと」とはどんなことでしょうか？子供の頃から親や学校の先生に教えてもらってきた公平、公正、正義、勇気、誠実、忍耐、努力、親切、思いやり、謙虚、博愛、感謝などのことです。
　次に「明徳を明らかにする」という意味を解説しますと、明徳とは、中国古典の『大学』の最初に出てくる言葉です。明徳とは「心の鏡」であります。鏡は物事を正しく映す力を持ちますが、心は時として我欲や欲心などが働いて曇ってしまうことがあります。この曇りを拭い去って、物事を正しく映すことが、明徳を明らかにすることです。つまり、利己だけでなく、“利他の心”を常に持つということが大切であるという教えです。“利他の心”がなければ医療はできません。「明徳会」という当法人の名称にも、素晴らしい意味があることを理解しましょう。
　そして、「人間として正しいこと」に基づく医療を実践し、明徳を明らかにすることによって、結果的に人間性が高められるのです。人生の中で仕事をしていく目的は、勿論、生活の糧を得るためですが、もう一つ、自らの心を高めるため＝人間性を高めるためであることも忘れてはなりません。

一、患者様を真の健康へと導く仕事を通じて、医局員の物心両面の幸福を追求していくこと

　明徳会は歯科医療が中心ですが、ここで言う「真の健康へと導く」とは、口の中という局所だけを治すことが目的ではなく、身体全体を健康にするという意味があります。
　歯だけが部分的に治癒しても、患者様が心身ともに健康になったことを実感できなければ、真の健康へと導いたことにはなりません。それには歯科治療プラス適切な医療サービス、そして統合医療の考え方が必要なのです。常に患者様の最大限の幸福を考えた医療を実践していきましょう。 「医学」＝「医療」では、ありません。科学的根拠の基づく医療（EBM）と患者様の物語に基づく医療(NBM)、どちらも大切にしましょう。
　また、当法人の目的は患者様の幸福だけではありません。ここで働く全医局員が、物質的（報酬、法人の福利厚生など）にも、精神的（患者様からの感謝、医局員同士の心のつながりなど）にも、幸福になってもらいたいという思いがあるからこそ組織が存在するのです。

一、「科学」と「心」という対極を共に求める“統合医療”と“統合 経営”を目指し、組織として社会に貢献していくこと

　ここで言う「科学」とは、どのくらいのサイズで歯を削ればよいのか、過去のデータにより○％有効かなど数値に表わせるような医療を示し、「心」というのは逆に数値に表わすことのできない患者様との心のつながりや満足度を示します。近代西洋医学は、「科学」に基づく医療としては素晴らしいものです。しかし「心」に対するアプローチとしては、当法人で長年実践してきた医療サービス、そして長年研究してきた東洋医学的療法をはじめとする代替医療が優れています。統合医療とは、単に現代の歯科医療（近代西洋医学）に代替医療をプラスするということではなく、ここにあるように「科学」と「心」という対極を共に求める医療であるということを認識して、目標としていきましょう。
　また、経営とは売り上げがいくら、経費がいくらといって、全て数値で表わされるもののように思われますが、それだけではなく、医療者と患者様との心のつながり、働く者同士の心のつながりや精神的な安定があってこそ、成り立つものです。医療と同様に経営も、科学＝数値に表わされるもの「実学」と、心＝数値に表わされないもの「哲学」の両方が共に重要であり、それらの統合があってこそ、社会に貢献できるような立派な法人になれるのだと思います。