ツボ治療

ヒトの体は“ツボ”だらけ。その数にはいろいろな説がありますが、WHO(世界保健機関)では361穴とされています。ツボは学問上“経穴(けいけつ)”と呼ばれ、ツボとツボは“経絡(けいらく)”という道で結ばれています。ツボに適当な刺激を与えると、経絡上に気血(きけつ)言うエネルギーが生じ、全身に流れていきます。そしてこれは主に3つの効果をもたらします。

1.血行がよくなりコリや緊張がとれる

ツボへの刺激は自律神経のバランスを整える作用があり、血行も良くなる。

2.痛みがとれる

ツボを刺激すると、脳の一部からエンドルフィンやエンケファリンと言うモルヒネに似た鎮痛物質が体内に分泌され痛みを押さえる。

3.全身が健康になる

ツボへの刺激は本来人間のもつホメオスターシス(自然治癒力)を高める。人間には、体をいつも生理的な状態にたもとうとする力があり、このホメオスターシスが活発に働けば、人はより健康になれる。


ツボは経絡でつながっている

ツボ療法を取り入れた歯科治療は痛みも少なく、リラックスして受けられるだけでなく、お口の病気の改善、さらには全身の健康を増進する効果もあります。

経皮的低周波ツボ通電法
(TEAS / Transcutaneous Electrical Acupuncture-point Stimulation)

導電性ゴム電極や磁石電極をツボに貼り、そこに低周波通電をする経皮的ツボ通電法(以下TEAS)は、痛みもなくハリが嫌いな人でも安心して受けることができます。そして、このTEASを歯科治療に取り入れると

  • 急性の痛みの緩和
  • 炎症や歯周病の治癒促進
  • 麻酔の注射針刺入時の痛みや不安感の除去
  • 麻酔薬の減量
  • 歯石除去などの治療中の不快感の抑制
  • 抜歯などの術後の痛みや不快症状の予防・緩和
  • 歯科治療に対する緊張の緩和(浅催眠効果)…

などの効果が得られます。

手や顔のツボへのTEASと
肩への気圧療法

歯が痛い時~まずは合谷(ごうこく)

治療では患者さんの症状に応じて、いろいろなツボを選択しますが、歯科治療で簡単に使えて、最も効果的なのは「合谷」です。親指と人さし指をぴったりと合わせ、合わせた指の根元のところにできる筋肉の隆起の頂点を人さし指の骨の真下へむかって強く押してみると、ジーンと痛みを感じるところがあります。ここが合谷です。もし歯が痛くてどうしようもない時、一方の手の親指でもう一方の手の合谷を指圧してみましょう。痛みがずいぶん楽になります。

合谷へのツボ通電