歯のお話
歯のお話
歯科最先端医療 -21世紀の治療へ向けて-
歯科の治療においても、新しい技術を応用した、様々な最先端医療が実用化されています。
レーザー治療
レーザー治療は拡散しない光の持つ力を応用した治療で、光線を収束するために使う物質の種類によって、YAG(ヤグ)レーザー、炭酸ガスレーザーなどがあります。レーザーの種類や病気の状態によって違いますが、痛みが少ない、出血が少ない、治りが早いなどの特徴があり、現在、むし歯の予防、歯周病の処置などさまざまな分野で利用されています。
むし歯をけずらない治療
むし歯の部分に特殊な薬液を塗り、やわらかくなったむし歯の部分をとり除く方法や、アルミナという金属の微少粉末を吹き付けてむし歯をとり除く方法などが研究・実用化されています。
歯の骨を再生させる治療
歯肉の中に特殊な膜を埋め込んで、骨を作る細胞をコントロールし、歯周病で失った歯の骨を再生する方法です。
マイクロスコープでの治療
歯科用の顕微鏡で治療部位を拡大しながら治療します。根の治療、クラウンなど、肉眼では見えない細密なレベルの治療が行えます。
その他
唾液から悪性腫瘍を発見する診断方法や、むし歯の原因ミュータンス菌に対するワクチンなども開発されています。将来はクローン技術を使って、自分の細胞から自分の歯を作ることも可能になるかもしれません。
しかし、次々と新しいテクノロジーが開発され医療技術が進歩しても、治療を受ける皆さんが「ひとりの人間」であることには変りありません。それぞれ個体差があり、ライフスタイルも違い、また、効果的な治療法も違います。
治療する側が患者さんとコミュニケーションをとりながら進める、患者さんごとの個性に応じた治療が、一番大切なことだと思います。